ポリフェノールの検査方法について
一般財団法人 食品分析開発センターSUNATEC
第一理化学検査室 1.はじめにポリフェノールとは、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物の総称で、5000種類以上あるといわれている。
2.ポリフェノールの検査方法について食品には多種多様なポリフェノールが含まれており、個々に測定し評価することが可能なものもあるが、今回はポリフェノールを総量として簡便に定量する方法を紹介する。
1)フォーリン・チオカルト法フォーリン試薬(フォーリン・チオカルト、フェノール試薬)がフェノール性水酸基により還元されて青色に呈色することを利用し、765 nmの吸光度を測定し、定量する方法である。
2)フォーリン・デニス法アルカリ性条件下におけるフェノール性水酸基の還元力を利用して、フォーリン試薬(フォーリン・デニス試薬)中のモリブデン酸の還元で生じる青色を725 - 760 nmの吸光度を測定し、定量する方法である。 なお、フォーリン・チオカルト法及びフォーリン・デニス法については、フェノール性水酸基の還元性を利用する方法なので、試料中に還元剤として働く成分が含まれる場合は正の誤差、酸化剤として働く成分が含まれる場合は、負の誤差として測り込まれる。食品の場合、問題となるのは、ビタミンC(アスコルビン酸)を含有する試料である。直接溶解抽出した場合はビタミンCも含んだ高い結果が得られる。補正法には、ビタミンC標準品を測定して検量線を作成し、HPLC法により測定した試料中のビタミンC濃度から、相当する吸光度を差し引く方法などがある。 3)酒石酸鉄吸光光度法フェノール性水酸基が鉄イオンと定量的に反応して錯体を形成し、青色を呈するのを利用し比色定量する方法である。 3.まとめ今回紹介したポリフェノールは、栄養表示基準に定められている成分ではないが、品質管理や機能性評価の観点において、重要な指標の一つと考えられる。食品や飲料中のポリフェノール含量をポリフェノール総量として定量することで、適切な品質管理、機能性評価にお役立ていただきたい。 参考文献新・食品分析法 [Ⅱ] (光琳) サナテックメールマガジンへのご意見・ご感想を〈e-magazine@mac.or.jp〉までお寄せください。 |
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