近年、食品の安全を取りまく環境の大きな変化と、国際化に沿う流れの中、食品衛生法改正などの食の安心・安全への強化に呼応し、食品事業者は品質保証・品質管理に取組むことが求められている。その取組みの一つとして、事業者内の人員に対する教育(訓練含む)を通じて、品質保証・品質管理に必要な力量を持たせることが挙げられる。
品質保証・品質管理のための教育は非常に重要である一方、事業者によっては教育に掛けることができるコストや時間が不足している。このため、事業者は自らに必要な教育について整理し、優先順位を決めて、効率良く、取り組むことが望まれる。
本稿ではその一助となることを期待し、現在多くの食品事業者が取組んでいる食品安全マネジメントシステムのISO22000:2018において要求される力量に対する教育や、更に品質保証・品質管理のために必要となる教育の一部を紹介する。
なお、ISO22000以外の食品安全マネジメントシステムに取組まれている事業者や、現時点でこれらの食品安全マネジメントシステムに取り組んでいない事業者においても、教育は共通する課題と考えられるため、参考にして頂ければと思う。