近年の食品業界を取巻く情勢はめまぐるしい変化を続けている。2018年にHACCP※ による衛生管理の制度化を含む食品衛生法等が改正されて以降、関連する検討会が頻繁に開催され、様々な情報が公開されている。公開された情報を注視する事業者が多い一方、情報を確認できていない事業者も少なからず存在する。
このことから、本稿では、食品衛生法等の改正に関する状況として、2019年3月時点で公開されている情報について紹介する。
また、公開されている情報の一つとして、食品関係団体が作成した業種別手引書が挙げられる。特に自組織で手順書などを作成することが大きな負担となる事業者を中心に、手引書は非常に有用なものと考えられる。しかし、事業者が手引書を使用する際には注意すべき点が存在する。本稿では、この注意すべき点についても紹介する。
※ HACCP (Hazard Analysis and Critical Control Point):
食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする手法1)。