ヒスタミンは、主に赤身魚を取り扱う際に、室温で保管する・加工する等、不適切な管理を行った結果、細菌により生成される、アレルギー様の食中毒の原因物質として知られている。
日本国内では食品中のヒスタミン濃度の基準は設定されていないが、海外ではコーデックス規格において遊離ヒスチジン含量が高い魚種の缶詰等に対してヒスタミン濃度の基準が設定されている他、欧州、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの各国においても魚類やその加工品中のヒスタミン濃度の基準が設定されている1)。
また、国内ではヒスタミンによる食中毒が年間数件から数十件発生し、その患者数は数十人から数百人に及ぶ2)。
本稿では、ヒスタミンの特徴や検査方法について紹介する。