2018年6月、食品衛生法等の一部を改正する法律が公布された。この改正により、原則全ての食品等事業者(以下、事業者と称す)はHACCPに沿った衛生管理に取組むことが求められた(2021年6月猶予期間終了)。またこれ以外にも、食品のリコール情報の報告制度が創設され、事業者がリコールを行う場合に行政への届出を義務付けることが盛り込まれた1)。
食品事故情報告知ネットHP2)によると、2011年に544件だった回収告知件数は2018年に786件と増加傾向になっている(表1 2018年度(4月?3月)の事故情報についての整理・分析(一部抜粋))。また、その告知理由は健康被害に繋がるものもあれば、繋がりにくいものもある。HACCPへの取組みを契機に食中毒等の問題を防ぐことはもちろんのこと、更に回収告知件数の減少も期待される。
このことから本稿では、事業者がHACCPへの取組み対応後の取組むべき内容について紹介する。
表1.2018年度(4月~3月)の事故情報についての整理・分析(一部抜粋)