2015年4月に食品表示法が施行された。食品事業者にとって、食品表示法の施行に伴う大きな変化の1つが栄養成分表示の義務化である。がん・脳卒中・糖尿病などの食や運動不足に起因する生活習慣病の広がりや栄養成分表示自体の認知度の向上に伴う消費者意識の高まりから、国民の健康的な食生活を営むための基礎的なツールとして活用されることを目的として、栄養成分表示が義務化された。
表示が義務化された成分として、たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウム(表示の際には食塩相当量として記載)の4成分並びに、たんぱく質、脂質及び炭水化物から計算される熱量が義務表示成分として指定された。栄養成分表示のためには、日本食品標準成分表などのデータベースからの計算値をもとにした表示の他に、「食品表示基準について(平成27年3月30日消食第139号)」の「別添 栄養成分等の分析方法等」(以下、食品表示基準における分析方法)に従った分析値による表示が認められている。
今回解説するたんぱく質の役割は、食品として摂取することでエネルギー源となること(4 kcal/g)と身体の構成成分となるアミノ酸を補給することである。このたんぱく質は動物性たんぱく質と植物性たんぱく質に大きく分類され、動物性たんぱく質は畜肉、魚肉、鶏卵、牛乳等が代表的な摂取源であり、植物性たんぱく質は大豆、小麦、米などが代表的な摂取源となっている。
なお、摂取の目安量や目標量については、日本人の食事摂取基準(2015年版)に性・年齢階級別に設定されているので参考にされたい。