スーダン色素の試験法について

一般財団法人 食品分析開発センターSUNATEC

第二理化学検査室

【スーダン色素とは】

スーダン色素は、プラスチックや油脂、ワックスなどの着色に用いられる脂溶性の工業用赤色色素であり、アゾ基(-N=N-)を有する芳香族化合物である。スーダンⅠ、スーダンⅡ、スーダンⅢ、スーダンⅣなどがあり、構造は次の通りである。

図1. スーダン色素の構造式

【スーダン色素の規制と検出事例】

スーダン色素は発がん性が疑われており、食品への使用は世界各国で禁止されている。しかし、鮮やかな発色性や比較的安価であるという理由から、着色目的で不正に食品へ添加され、問題となった事例が報告されている1)。香辛料(唐辛子、パプリカ、カレー粉など)やパーム油における検出事例があり、特にスーダンⅠとスーダンⅣが多い2)

【スーダン色素の試験法】

スーダン色素の試験法については、厚生労働省より通知されている3)。アセトニトリルで抽出を行い、精製後、可視分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフにて測定および定量を行う方法である。

油脂の場合、秤量した検体をヘキサンで溶かし、脱脂操作を行う。その他の食品の場合、秤量後アセトニトリルと無水硫酸ナトリウムを加え、ホモジナイズによって抽出を行う。その後の操作は、油脂およびその他の食品で共通しており、アセトニトリル層を濃縮後、ヘキサンに再溶解し、ミニカラムによる精製を行う。さらに濃縮乾固後、アセトニトリルで定容し、測定を行う。

図2. スーダン色素の試験法フロー

 

測定は、可視分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用い、オクタデシルシリル化シリカゲルカラムを使用し、500 nmの波長で行う。スーダンⅠ、スーダンⅡ、スーダンⅢ、スーダンⅣの順で溶出する。

図3. スーダン色素標準溶液のクロマトグラム

参考試験法である確認試験では、フォトダイオードアレイ検出器付高速液体クロマトグラフ、薄層クロマトグラフや液体クロマトグラフ質量分析計を用いる方法がある。なお、これらの確認試験は定量分析を目的としていない。確認は、誤認を防ぐため、複数の試験法を組み合わせて実施することが望ましい。

【おわりに】

スーダン色素は過去に問題となった経緯を持ちながらも、現在においても注意が必要な物質である。今後も分析による継続的な監視を行っていく必要がある。

参考文献

1)
唐辛子を使用した加工食品中のスダンI及びその同族体の分析, 東京都健康安全研究センター研究年報, 55, 107-110(2004)
2)
食品安全委員会 データベース
3)
「食品中のスーダン色素およびパラレッドの試験法について」(平成18年5月1日付 食安監発第0501007号)別添