試験菌は、Escherichia coli、Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Candida albicans、Aspergillus brasiliensis の5菌株、又はこれらと同等と考えられる菌株を使用する。また、試験品の特性から増殖が懸念される微生物がある場合には、必要に応じて試験菌を追加することが望ましい。例えば、高糖濃度のシロップ剤では、Zygosaccharomyces rouxii などの酵母を対象とする場合がある。
試験菌は、カンテン培地又は液体培地で培養し、約10⁸ CFU/mLの接種菌液を調製する。カンテン培地で培養する場合、培養後の培地の上の菌体のみを無菌的に採取し、生理食塩液等に浮遊させ、接種菌液を調製する。液体培地で培養する場合、培養後の液体培地を遠心分離、上清の液体培地を除去し、試験菌に生理食塩液等を加えて懸濁、洗浄し、同じ溶液を加えて接種菌液を調製する。また、カビについては、菌糸を取り除いた胞子浮遊液として調製する。必要に応じて、滅菌ガーゼやガラスウールなどでろ過し、菌糸を除去する。
接種菌液の菌数確認には、カンテン平板法による生菌数測定を行う。ただし、培養結果が得られるまでには時間を要するため、調製時の目安として、分光光度計による濁度測定、既知濃度に相当する標準液と目視で比較するMcFarland比濁法、血球計算盤を用いた顕微鏡観察などを併用する場合がある。これらの方法は菌数を推定するための補助的な方法であり、最終的な菌数確認には生菌数測定が必要である。
調製した接種菌液は、試験品に無菌的に接種する。各試験菌は混合せず、それぞれ単独で試験品に接種する。試験品1 mL又は1 g当たり、1×10⁵~1×10⁶ CFUの生菌数となるように接種、混合する。カテゴリーⅠD製品(制酸剤)の場合は、試験品1 mL当たり1×10³~1×10⁴ CFUの生菌数となるように接種する。
なお、接種菌液の量は、試験品に対して0.5~1.0%とする。
第十九改正日本薬局方における製剤のカテゴリーを表1に示す。
※出典:第十九改正日本薬局方 参考情報「保存効力試験法〈G4-3-170〉」