コラーゲンについて

一般財団法人 食品分析開発センターSUNATEC

第三理化学検査室

【コラーゲンとは】

コラーゲンは、動物の体内に最も多く含まれる繊維性たんぱく質であり、からだを構成する全たんぱく質の約30%を占めるといわれている。体内コラーゲンのうち約40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に存在する。ほかにも軟骨、腱、靭帯などに広く分布し、結合組織の主要な構成成分である1)。食品では、フカヒレや鶏の手羽先、魚の皮などに多く含まれている。また、体内でコラーゲンをつくるためにはビタミンCの摂取が必須である。

コラーゲンは、3重らせん構造をもち、水に不溶である。このらせん構造の中に水を留めることができるため、保水性が高く、その保水効果を利用して、食品分野のほか、化粧品などにも広く応用されている。また、コラーゲンが熱変性や加水分解により、らせん構造がほどけて1本鎖になったものがゼラチンである。ゼラチンもゼリーやグミなどのお菓子のほか、医療用カプセル、写真フィルムといった医療・工業分野にも広く利用されている。近年では、ゼラチンを酵素などで加水分解し低分子化したコラーゲンペプチドの利用が急速に増え、健康や美容に対する効果も期待され、注目を浴びている。

【コラーゲン含量の推定とヒドロキシプロリン】

コラーゲンは起源によって構造(アミノ酸組成)が異なるため、コラーゲンの含量を直接定量することは困難である。そのため、コラーゲン特有の構成アミノ酸であるヒドロキシプロリンを定量することで、そのコラーゲン中のヒドロキシプロリンの含有率から、おおよそのコラーゲン含量を求める(推定する)ことが多い。また、ゼラチンも分子の大きさが異なるのみで、コラーゲンと同様のアミノ酸組成であることから、ヒドロキシプロリンを特異的に含み、同様にヒドロキシプロリンを定量することでゼラチン含量を求める(推定する)ことができる。

ヒドロキシプロリンの分析法は試料を酸で加水分解し、アミノ酸分析計で測定、定量する方法が広く用いられている。ヒドロキシプロリンの構造式と分析法フローチャート、クロマトグラムを、図1、図2及び図3に示す。

図1. ヒドロキシプロリンの構造式

 

図2. ヒドロキシプロリンの分析法フローチャート

 

図3. ヒドロキシプロリンのクロマトグラム

【コラーゲンの有効性・安全性】

コラーゲンを摂取することにより、皮膚の弾力や、膝の伸びの改善が認められるが、これは、コラーゲンが低分子化したペプチドが関節などの部位に何らかの影響を与えていると考えられている1)。また機能性表示食品では、コラーゲンペプチド、非変性Ⅱ型コラーゲンを関与成分とする食品も多く届出されている2)

コラーゲンの安全性については、アレルギー体質の人や、コラーゲン入りの保湿クリームなどを使用した人が、コラーゲン飲料やサプリメントを摂取してアレルギーを起こした事例が報告されている。なお、鶏や卵にアレルギーをもつ人には、鶏軟骨由来Ⅱ型コラーゲンは避けることが推奨されている1)。特にコラーゲン濃縮物の摂取はアレルギー反応を起こしやすく、注意が必要である。

【おわりに】

コラーゲンは、皮膚や軟骨などに存在し、肌の弾力や関節の柔軟性に関わる重要なたんぱく質である。また、コラーゲンや、ゼラチン、コラーゲンペプチドは、その特性から、食品や化粧品、工業用品などの幅広い分野に用いられているほか、さまざまな機能をもつことが期待され、注目されている機能性素材である。しかし、アレルギー体質の人がコラーゲン製品を摂取、利用する場合には、自分自身の体質や体調の変化に十分に注意し、使用することが必要である。

参考文献

1)
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:コラム/コラーゲン
2)
消費者庁:機能性表示食品について