コラーゲンは、動物の体内に最も多く含まれる繊維性たんぱく質であり、からだを構成する全たんぱく質の約30%を占めるといわれている。体内コラーゲンのうち約40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に存在する。ほかにも軟骨、腱、靭帯などに広く分布し、結合組織の主要な構成成分である1)。食品では、フカヒレや鶏の手羽先、魚の皮などに多く含まれている。また、体内でコラーゲンをつくるためにはビタミンCの摂取が必須である。
コラーゲンは、3重らせん構造をもち、水に不溶である。このらせん構造の中に水を留めることができるため、保水性が高く、その保水効果を利用して、食品分野のほか、化粧品などにも広く応用されている。また、コラーゲンが熱変性や加水分解により、らせん構造がほどけて1本鎖になったものがゼラチンである。ゼラチンもゼリーやグミなどのお菓子のほか、医療用カプセル、写真フィルムといった医療・工業分野にも広く利用されている。近年では、ゼラチンを酵素などで加水分解し低分子化したコラーゲンペプチドの利用が急速に増え、健康や美容に対する効果も期待され、注目を浴びている。