食品分析を行うためには分析に供する試料が均質化されている必要がある。試料調製における均質化とは検査対象成分が試料の全体に分散され偏りがなく、どこを採取しても検査結果に大きく影響しない状態にすることであるが、食品は多種多様であり、検査対象成分が偏在しているものや不均一であることが多く、さらに物性の異なる成分が混在することもあるため、均質化は容易なことではない。試料調製をすることで、検査対象成分が増加、減少、変化してしまうこともある。
本稿では食品の特性別に実際の均質化の方法を注意すべき箇所を踏まえ、実例を紹介したい。