豆知識

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  • カルシウムについて

    カルシウム(calcium)は、原子番号20、元素記号Ca、アルカリ土類金属の一つである。ヒトの体重の1~2%を占め、そのうち99%は骨及び歯に存在し、骨の主要構成要素の一つである。組織内には微量しか存在しないが、細胞の多くの働きや活性化に必須の成分である。また、カルシウムは、血液の凝固に関与しており、血漿中の濃度は一定に保たれている。成長期にカルシウムが不足すると成長が抑制され、成長後不足すると骨がもろくなるため全てのヒトにおいて必須性が認められているミネラルの一種である1)。

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  • 食品に含まれる食塩濃度の分析方法について

    近年、健康志向の高まりとともに高血圧症、動脈硬化症、心筋梗塞や腎臓病などの生活習慣病予防、その他未病対策が注目されています。高血圧症の原因の1つに食品に含まれる食塩の過剰摂取が挙げられます。厚生労働省では、生活習慣病予防を目的として、ナトリウム(食塩相当量)について1日に摂る食塩摂取量目安の目標量を男性(12歳以上)は8.0g未満、女性(10歳以上)では7.0g未満としています1)。

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  • ヒスタミンについて

    ヒスタミンは、主に赤身魚を取り扱う際に、室温で保管する・加工する等、不適切な管理を行った結果、細菌により生成される、アレルギー様の食中毒の原因物質として知られている。日本国内では食品中のヒスタミン濃度の基準は設定されていないが、海外ではコーデックス規格において遊離ヒスチジン含量が高い魚種の缶詰等に対してヒスタミン濃度の基準が設定されている他、欧州、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの各国においても魚類やその加工品中のヒスタミン濃度の基準が設定されている1)。

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  • 高温細菌について

    細菌の増殖できる温度帯は様々であり、食品に関係する細菌をみても、種類によって大きな差がある。そのため、細菌の増殖温度域により、低温細菌、中温細菌、高温細菌と区分されることがある。一般に、25~40℃に至適増殖温度がある細菌を中温細菌、0℃以下の温度で増殖できる細菌を低温細菌、55℃以上の温度で増殖できる細菌を高温細菌とする。

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  • 食品衛生法等の改正に関する状況と食品事業者における取組み注意点

    近年の食品業界を取巻く情勢はめまぐるしい変化を続けている。2018年にHACCP※ による衛生管理の制度化を含む食品衛生法等が改正されて以降、関連する検討会が頻繁に開催され、様々な情報が公開されている。公開された情報を注視する事業者が多い一方、情報を確認できていない事業者も少なからず存在する。

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  • カンピロバクター(Campylobacter)について

    カンピロバクター(Campylobacter)は、食中毒起因菌のひとつで、原因別の細菌性食中毒のなかでも主要な位置を占める、非常に食中毒発生率の高い細菌です。食品安全委員会の食品健康影響評価のためのリスクプロファイル(鶏肉等におけるCampylobacter jejuni/coli )によると、カンピロバクターは、2013年現在で26菌種が報告されており、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni )とカンピロバクター・コリ(Campylobacter coli )の2菌種が食中毒菌に指定されています

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  • 残留農薬分析におけるカカオ豆の検査部位について

    食品中の残留農薬分析は、食品ごとに検査部位が規定されている。残留基準値と比較する分析値は、規定された検査部位を試料として分析した値でなければならないため、検査部位の確認は非常に重要である。平成30年9月に残留農薬分析におけるカカオ豆の検査部位が改正された。本稿では、残留農薬分析におけるカカオ豆の検査部位について説明する。

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  • 2,4,6-トリクロロアニソール前駆体としての2,4,6-トリクロロフェノール

    食品の、いわゆる“異臭”といわれるにおいのひとつとして、かび様のにおい(かび臭)が挙げられる。かび臭の原因物質には様々なものがあるが、中でも、2,4,6-トリクロロアニソール(2,4,6-TCA)は、においの閾値(人がにおいを感じることのできる最小量)が非常に小さいため、異臭の原因物質になることが多い。過去に2,4,6-TCAを含む、ペンタクロロアニソールや2,3,4,6-テトラクロロアニソールなどのクロロアニソール類が、鶏小屋のおがくずに認められ、また鶏肉や卵の異臭を引き起こしていることが明らかにされた*1*2

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  • ピペットの性能

    弊所のメールマガジン 2017年8月号(SUNATEC e-Magazine vol.137)の豆知識「試験に使用する器具の選定 」では、器具の選定の大切さに触れたが、その中で全量ピペットとピストン式ピペットの性能比較を紹介した。ピストン式ピペットは全量ピペットに比べて使用が容易であり、手早く分取できるため、作業効率面でも是非使用したいところである。そこで、実際にどの程度の差が生じるのか、簡易的な方法ではあるが比較試験をしたのでその結果を紹介する。

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  • 大豆イソフラボンについて

    大豆イソフラボンは、特に大豆の胚芽(胚軸)に多く含まれているフラボノイドの一種であり、その化学構造が女性ホルモン(エストロゲン)に似ているため、植物性エストロゲンとも呼ばれている。大豆に含まれるたんぱく質、ミネラル等とは異なり、ヒトの体に必須の栄養素とはされていないが、エストロゲン受容体(エストロゲンレセプター)に結合することから、種々の生体作用を発揮することが知られ、注目されている成分である。大豆イソフラボンは、大豆を使った加工食品のほとんどに含まれているが、原料の大豆の種類や食品の製造方法によって含有量は異なる。

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