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近年の食品業界を取巻く情勢はめまぐるしい変化を続けている。2018年にHACCP※ による衛生管理の制度化を含む食品衛生法等が改正されて以降、関連する検討会が頻繁に開催され、様々な情報が公開されている。公開された情報を注視する事業者が多い一方、情報を確認できていない事業者も少なからず存在する。
カンピロバクター(Campylobacter)は、食中毒起因菌のひとつで、原因別の細菌性食中毒のなかでも主要な位置を占める、非常に食中毒発生率の高い細菌です。食品安全委員会の食品健康影響評価のためのリスクプロファイル(鶏肉等におけるCampylobacter jejuni/coli )によると、カンピロバクターは、2013年現在で26菌種が報告されており、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni )とカンピロバクター・コリ(Campylobacter coli )の2菌種が食中毒菌に指定されています
食品中の残留農薬分析は、食品ごとに検査部位が規定されている。残留基準値と比較する分析値は、規定された検査部位を試料として分析した値でなければならないため、検査部位の確認は非常に重要である。平成30年9月に残留農薬分析におけるカカオ豆の検査部位が改正された。本稿では、残留農薬分析におけるカカオ豆の検査部位について説明する。
食品の、いわゆる“異臭”といわれるにおいのひとつとして、かび様のにおい(かび臭)が挙げられる。かび臭の原因物質には様々なものがあるが、中でも、2,4,6-トリクロロアニソール(2,4,6-TCA)は、においの閾値(人がにおいを感じることのできる最小量)が非常に小さいため、異臭の原因物質になることが多い。過去に2,4,6-TCAを含む、ペンタクロロアニソールや2,3,4,6-テトラクロロアニソールなどのクロロアニソール類が、鶏小屋のおがくずに認められ、また鶏肉や卵の異臭を引き起こしていることが明らかにされた*1*2
大豆イソフラボンは、特に大豆の胚芽(胚軸)に多く含まれているフラボノイドの一種であり、その化学構造が女性ホルモン(エストロゲン)に似ているため、植物性エストロゲンとも呼ばれている。大豆に含まれるたんぱく質、ミネラル等とは異なり、ヒトの体に必須の栄養素とはされていないが、エストロゲン受容体(エストロゲンレセプター)に結合することから、種々の生体作用を発揮することが知られ、注目されている成分である。大豆イソフラボンは、大豆を使った加工食品のほとんどに含まれているが、原料の大豆の種類や食品の製造方法によって含有量は異なる。
ポリフェノールとは、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物の総称で、5000種類以上あるといわれている。食品中のポリフェノールは、味や色、香りなどの嗜好性に関与する成分とされており、茶のカテキン類、チョコレートやココアのカカオポリフェノール、果実や野菜のアントシアニン系色素などが有名である。近年では生体内での抗酸化作用をはじめとした機能性に関与する成分として注目されている。
2015年4月に食品表示法が施行された。食品事業者にとって、食品表示法の施行に伴う大きな変化の1つが栄養成分表示の義務化である。がん・脳卒中・糖尿病などの食や運動不足に起因する生活習慣病の広がりや栄養成分表示自体の認知度の向上に伴う消費者意識の高まりから、国民の健康的な食生活を営むための基礎的なツールとして活用されることを目的として、栄養成分表示が義務化された。