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ポジティブリスト制度が2006年に施行されて17年になる。残留農薬の高濃度での違反は少なくなり、メディアでの残留農薬の話題も以前に比べて格段に少なくなった。しかし、農薬が全く検出されなくなったという訳ではない。正しく農薬を使用しないと基準値を超える危険性があり、また、日本と基準値が異なる国からの作物の輸入にも注意が必要である。そこで本稿では、残留農薬の基準値と分析値の比較について今一度確認していきたい。
食品、及び食品に使用される食品添加物や容器包装等に関する規格は、食品衛生法に基づき定められている。いわゆる「規格試験」とは、これらの規格に適合しているかどうかを判定する試験であり、食品衛生法第十三条第二項により規格試験に適合しないものは国内での使用・販売等が許可されない。今回は、食品添加物の規格試験について説明する。
日本では平成20年にペットフードの安全性の確保を目的とし、犬及び猫用のペットフードを対象に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)が制定された。亜硝酸ナトリウムはペットフード安全法の成分規格において含有量の基準値が定められている。本稿では、ペットフードにおける亜硝酸ナトリウムの基準値と亜硝酸ナトリウムの検査法について紹介する。
食品中の各種成分の理化学検査を行うためには、試料をそのまま検査に用いることは少なく、多くの場合、前処理が必要である。試料の前処理において、その多くは均質化を目的とした混合粉砕等の前処理方法が用いられているが、その他にも検査の目的に適した状態にするための試料調製や検査の対象となる成分が損なわれないようにするための試料調製など特殊な前処理方法を用いることがある。
前号(2022年7月号)の豆知識では「異物混入削減のための取り組み(2)」として、異物混入リスクを低減するためには、①異物混入リスク対策、②除去工程管理、③異常察知の考え方を基に製造工程の実態に沿った管理体制を構築する必要があること、現場従業員の方々がこの考え方を理解し、意識を高めることが必要であることを説明しました。3回目の本稿では、現場の従業員が異物混入削減の3つの考え方の理解を深めるための教育手法について紹介します。
異物混入クレームが発生すると、混入した異物の同定、原因究明および再発防止対策の実施に多大な費用と労力が伴います。また、企業のイメージダウンにもつながることから、食品等事業者の皆様は異物混入の発生を防止することに日々苦心されていることと思います。異物混入の発生を防止するためには、異物に関する正しい知識や考え方を理解しておく必要があります。今回の豆知識では3回にわたり、異物混入の削減に役立つ情報を紹介します。
PCR(Polymerase Chain Reaction)法は迅速にDNAを複製増幅させる手法として1983年にキャリー・マリスによって考案され、現在では分子生物学上欠かせないツールの1つとなっています。最近では、新型コロナウイルスの診断方法として一般にも広く知られる名称となりました。今回はPCR法について解説します。